以前「PlayStation MoveとXbox 360のKinect@東京ゲームショウ」で書きましたが、Microsoft製品で気になったものはあまりありませんでしたが、珍しく凄く気になっていたKinectが発売されたので買ってみました。
まず、コントローラーが無いってどういう事!?って人も多いと思いますが、Kinectは色々なセンサーで人の姿勢や距離を検出するようになっています。
分解された画像やセンサーの情報が掲載されているサイトがありました。
マイクロソフトKinectを分解! マイク4つ、カメラ2つ、そして忘れちゃならない冷却ファンも!
ざっくりとまとめると、赤外線で距離を認識して、カメラで人の形状を認識して、マイクで音を認識するようになっています。
マイクの音の認識精度を上げる為に、最初にキャリブレーションを行う際に、周囲の音(ノイズ)を計測したり、テレビの音量まで指定されます。
センサー(カメラ)は自動で上下に動いて、人が立っている位置を認識するようになっています。(Playstation Eyeは手動で上下の向きを調整する必要がありますがKinectは自動です。)
開発時は、センサー類で認識したものをXBOX本体で処理するようにしていた事もあったようですが、ゲームを作るのには許容できないくらい処理が重かったらしく、Kinectセンサー側である程度処理を行ってから、XBOX本体で処理するようにしたらしいです。
そんなこんなで、Kinectはただのセンサーじゃなくて、XBOXに繋げる小さいコンピュータって感じのものです。
ソフトは「ダンスエボリューション」と「Kinect スポーツ」を買ってきました。
同梱の「Kinect アドベンチャー」を入れて3本のソフトを試してみました。
■Kinect アドベンチャー
レイテンシ(処理の遅れ)が結構あるという話は聞いてましたが、「Kinect アドベンチャー」をやるとはっきりと分かるくらいの遅れがありました。
障害物をジャンプで避けたりするゲームがありますが、絵に合わせてジャンプするというよりは、早めにジャンプしておくって感じでうまく行く感じです。
Kinectの魅力を知ってもらう為のソフトだと思うので、色々なアクションで遊べるものが入っていて、二人で遊んでもなかなか面白いゲームが入っています。
■ダンスエボリューション
東京ゲームショウで見て一番気になっていたゲームです。
ダンスをやっていた人がやると、初見でもAやAAランクを取っていて、面白いと言っていましたが、自分がやると良くてBくらいで、CとかDがほとんどでした・・・。
遊んでいる時はお手本のキャラクターに合わせる事に集中しているのであまり気づきませんが、人が遊んでいるのを見ていると、画面上のお手本キャラクターとプレイヤーのダンスがぴったりでも、画面上に表示されているプレイヤーの映像は結構遅れて表示されています。
これがKinectのレイテンシが結構あると言われている部分なんだろうなぁと思いつつも、完璧に踊れてるプレイヤーでもリズムに合ってない感じで表示される事になるので、少し残念な感じがしました。
タイミング良く腕を振ったり、ポーズをとったりするだけじゃなく、足のステップや手拍子の音なんかも検出しているようで、なかなか凄い感じです。
■Kinect スポーツ
スポーツはPlaystation Moveでも面白かったので、これも買ってみました。
ボウリングや卓球はWiiやPlaystation Moveではセンサーがあるので、手首をひねる事でスピンをかけられましたが、Kinectではそういった動作ではスピンをかけられないので、Kinectの方がいまいちな感じがしました。
まだあまり遊んでないですが、ボクシングはなかなか面白い感じがします。
どのゲームもレイテンシの事を考慮して、遊べるようには作られているので、面白い事は間違いないですが、ゲームを作る方としては色々と悩みそうなくらいの遅れがあるように思いました。
色んなポーズをとってみても、画面上のキャラクターが同じポーズをとったりするので、ゲーム以外の分野でも使えるものだと思います。(プログラム的に実装されていないのか、Kinectで認識できないのかは分かりませんが、手をグーにしたりパーにしたりまではキャラクターは動かなかったです。)
この際KinectとPCが一体化したハードを出したら、デジタルサイネージなどの分野でも活躍するのでは無いかと思える程、可能性があるハードじゃないかと思います。
Kinectには新しい可能性があるのは間違いないものの、日本の住宅事情を考えたり、みんなで遊ぶシチュエーションを考えると、WiiやPlaystation Moveよりハードルが高いハードです。
ざっくりと3つのプラットフォームを比べてみます。
■Wii
センサーバーから出る赤外線を、Wiiリモコンで認識して遊ぶので、赤外線を遮るものさえ無ければOK。
使っているテレビの大きさとも関係しますが、テレビにリモコンを向けている状態で赤外線が入りさえすれば、距離もあまり関係なく遊べるはずです。
公式サイトのQAによると、1m〜3mが推奨との事。
赤外線を遮らなければ、プレイヤーの周りに誰か他の人やペットなどがいても問題無いです。
■Playstation Move
Playstation Eyeというカメラで、モーションコントローラの選択の光る球を認識するので、カメラに入る距離は必要。
カメラと光る球の間を遮るものが無ければ遊べる。
公式サイトのQAによると、1m〜3mが推奨との事。
二人で遊ぶ事を考えると、カメラで認識する分、Wiiよりはテレビの前のスペースの取り方が難しい可能性はある。
■XBOX 360 Kinect
カメラで人を認識して遊ぶので、ほぼ全身がカメラに入る必要がある。
Kinectのチュートリアルでテレビとプレイヤーの間に、ローテーブルなど机があればどかすように促されるように、足下まで隠れないようにする必要がある。
公式サイトのQAによると、最短で1.8mが必要との事。
Kinect Q&A(Q:どのくらいのプレイスペースが必要?)
Wiiの赤外線や、Playstation Moveのカメラで球を認識するのと違って、人そのものを認識する仕様なので、一人で遊ぶタイプのゲームの場合、カメラに映る範囲に、他の人(動くもの)が映ると誤認識されて遊べない可能性が大。
この他の人が映るとNGというのが皆で遊ぶという所と矛盾していて、脳トレのCMで家族で集まって遊んでるシーンでも、遊んでる人以外はカメラに映らないように横に一列に座っているので、みんなでわいわい遊ぶにはKinectにあった部屋のレイアウトになってないと遊べない可能性があります。
自分の家の場合、正確には計ってないので正確な距離ではないですが、およそ2m弱くらいの距離で遊んでいて、WiiもPlaystation Moveも普通に遊べる距離ですが、Kinectではゲームが始まる前のガイドで、認識できる範囲の一番手前と表示されていて、もう少し後ろに下がると快適にプレイできるけど始めますか?と確認されました。
ダンスエボリューションを二人でやった感じだと、本当に快適に遊べる状態にするには3mくらいの空間が無いとって感じでした。
今住んでいる家だと最低限のスペースを確保できましたが、過去に住んでいた家を思い浮かべると、全て遊べなかったなという感じで、WiiやPlaystation Moveと比べて、要求されるスペースが相当厳しい感じです。
購入される前に十分にスペースを確保できるかを検討された方がいいと思います。
北米ではPlaystation Moveよりも売れ行きがいい様子ですが、日本の都心の住宅事情を考えると、なかなか苦戦しそうな気がしました。
スペースさえ確保できれば、なかなか面白くて、ついでに運動不足を解消できそうなくらいの運動にもなるので、お勧めです。
最後に発売中のソフトと、年末までに発売が予定されているソフトを。
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