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2011/06/08

iCloud、iOS5、Lionの発表内容を振り返る

iCloudとiOS5を勝手に予想で書いた内容は、方向性としては合ってましたが、残念だった所と、予想より凄かった所がありました。

残念だった所は、自分が取り込んだデータはiCloudで管理される訳では無かった所です。

CDから取り込んだ曲は「iTunes Match」という$24.99/年のサービスで、iTunes Music Store上のカタログとマッチさせて、存在する曲についてはクラウドからダウンロードできるような仕組みはあるものの、自分が取り込んだ楽曲を丸っとクラウド上に置けるような事はなかったです。(※)

※当初は北米のみのようです。日本のiTunes Music Storeのカタログではマッチしない曲の方が多そうですし、なかなか厳しそうです。

写真についても、iPhotoのライブラリを丸っとアップできる訳では無く、「Photo Stream」というサービスで、1000枚まで30日間はデバイスで共有するものの、必要なものはiPhoneライブラリに追加するなどして、各デバイスごとに保存して置く仕組みになってます。

ただ、5GBの無料で使えるストレージがあるとの事なので、手動でアップしておけば、どこからでも見れるという環境は作れる事は作れます。

以上のあたりが、個人的には少し残念だった所ですが、あまりあるくらい魅力的な所がありました。

何よりiCloudは「iTunes Match」を除いて無料だった事が凄いです。

iTunes相当の機能がクラウド上に乗っかって、iPhone、Macが同期できるようになって、Mac不要でiPhoneのアップデートができるようになるとして、iCloudが有料のサービスだったら、結局今まで通りMacを使っていく人も多いだろうなと思っていたので、無料で提供されるというのは大きいです。

さらに、iOS5のバージョンアップはiPhone単体で3GやWiFiの通信で行えるようになるようなので、現状はiPhone買ってOSはそのままって人も、最新のバージョンにアップデートする可能性が高くなり、開発者に取っては新しいバージョンだけを狙ったアプリを出しやすい環境になると思われます。

端末の解像度、OSのバージョン、マーケットの3つが分散して行っているAndroidと違って、Apple自身のサポートの負担も開発者の負担も軽減される、いい仕組みだと思います。

iCloudにデータをアップして、複数の端末でデータやドキュメントを共有する為のAPIも提供されるので、アプリ開発者も自分のアプリにiCloudの機能を組み込む事ができます。

このあたりの事が予想より良かった事です。

クラウドにユーザーのデータを乗せられるようになったら、データ量は増える一方だと思うので、使用容量に応じて課金するしか無いのかなと思ってましたが、「Photo Stream」のような、同期のきっかけはクラウドで、保存はMacやiPhoneなどでご自由にという、容量が増え続けない仕組みを入れてくるあたりがさすがだなーという感じです。
この仕組みであれば、Macで保存してDVDに焼いてバックアップみたいな使われ方もするでしょうし、iPhoneもMacも生かされる事になります。

残念に思ってる開発者や企業が多そうな所としては、TwitterがiOS5と統合されたり、スクリーンロックの状態から標準のカメラが起動できるようになったり、iCloudで5GBまでストレージが使えるようになった所で、現在販売しているアプリや自社のサービスが危機にさらされる可能性があり、がっかりしている人も多いように思います。
日本的な発想では、周辺の企業のうまみのある分も残しつつ、共存共栄でやって行きましょうって事になりそうな所も、Appleの場合は本質的な所も見て、便利だったり、より良くなると思った事は容赦なくやってくるので、そこが凄い所だなーと逆に思ったりもします。

ざっとではありますが、iOS5のAPIの変更点も見てみましたが、順当に進化していてiCloudとのコンビネーションでAndroid陣営とまた差をつけたかなという印象でした。(詳しい話はNDAの関係で書けません)
Lionについては、AirDrop以外は概ね事前に発表されていた事の復習と実際動いている所のプレゼンという印象でしたが、2点気になった所がありました。

 

1点目はMacOSにLaunchpadやフルスクリーンアプリケーションの仕組みを搭載する事で、iOSと同じくファイルシステムを隠し始めている感じがある所です。

「デスクトップ」「フォルダ」「ファイル」っていうメタファで、分かりやすくファイルシステムを見せようとして来たPCが、次のステップへ進もうとしているような感じがして、興味深いです。

iCloudでの文章の同期なども含めて考えると、PCの次の世界が想像できる所まで来ている気がします。

 

2点目はLionのパッケージがMac App Storeでダウンロード販売のみになる事です。
なんとサーバー版までダウンロード販売です。

App StoreでiOS向けのコンテンツ販売の実績を作ってきましたが、Mac向けのアプリの販売もダウンロード販売に集約して、ソフトウェアの流通を変えてしまいそうな勢いです。

こうなるとユーザー視点では便利ですが、開発者視点では、アプリの内容の審査、料金設定、課金方法はAppleにコントロールされ、さらに決済から必ず30%抜かれる状況になり、卸売り業者や小売業者は物の流れが無くなるので、色々と構造が変わって行きそうです。

一般ユーザー向けのクラウドでは、GoogleもAmazonよりもリードした感じですが、電子書籍ではAmazonがライバルである事には変わらないでしょうし、ユーザーの分かりやすさにこだわるAppleは、ハードからソフトまで垂直統合過ぎて閉鎖的だという意見も多く、Android(Google)派の人も多いのは確かなので、これからスマートフォンとコンテンツの市場がどうなっていくのか面白いですね。

 

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