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2009/05/24

映画「天使と悪魔」を見た

原作本を凄い勢いで読み終わって、映画を見てきました。

「天使と悪魔」の公式サイト

ネタばれになるので細かい事は書きませんが、原作とストーリー展開が結構違ってました。

小説では読者をミスリーディングするような伏線も多数ありましたが、映画はシンプルに駆け足で進んで行く感じでした。

原作の大筋をそのままに、原作を知らない人にも分かりやすいストーリーにしたかったのでしょうが、原作で語られている魅力的な部分で根こそぎ落ちてる部分もあったので、原作を未読の方は、映画の前でも後でも読んでみると面白いと思います。

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あと、原作は「天使と悪魔」→「ダ・ヴィンチ・コード」の順で発表されたようですが、映画は「ダ・ヴィンチ・コード」の続編的な扱いになっていて、その事をにおわすような会話のやり取りもありました。

前作の「ダ・ヴィンチ・コード」は、クリスチャンには受け入れがたいストーリーで、今作も宇宙創世の時にまで話が及ぶような、宗教と科学をテーマにした話で、宗教的にはどうなのかと思う部分もありましたが、ヴァチカン的にもOKだったようですね。

ヴァチカン紙『天使と悪魔』は宗教的に“無実”

久々に面白い小説&映画でした。

「天使と悪魔」はiPhoneアプリ(ゲーム)も出てます。

「天使と悪魔WW」をAppStoreでチェック

前作「ダ・ヴィンチ・コード」も映画も面白く、また小説の方はもっと面白く、映画・原作未体験のミステリー好きにはお勧めです。

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「天使と悪魔」に出てくるCERN(セルン: 欧州合同素粒子原子核研究機構)の、LHC(大型ハドロン衝突型加速器)は実在する実験装置で、昨年、凄く興味があって、実験の行方に注目してたので、「天使と悪魔」を読んだ時はびっくりしました。

2008年9月10日に行われる予定だった、陽子ビームの衝突は宇宙誕生時に起きていたと推測されている事の一部を実験で再現しようという事のようで、小さなブラックホールが発生して、地球が飲み込まれるなんて説まで出てきて、中止を求める署名運動が起きたり、インドでは少女が自殺するような悲劇まで起きて、ちょっとしたニュースになってました。

質量保存の法則で今の宇宙を計ると、どうしても質量が足りず、不足している物質を「ダークマター」と名付けていますが、陽子を光速に近い速度でぶつけて、その様子を観察するということは、その謎を解明する手がかりになるようです。(近年ニュースになった所だと、小柴先生がスーパーカミオカンデで観測したニュートリノもダークマターの一つです。)

実際は実験開始直後にLHCに故障が見つかって延期され、今年再度行われる予定になっているようで、どうなるのか楽しみです。

あと、小説で出てくる「反物質」ですが、テレビ番組「世界ふしぎ発見!」で「天使と悪魔」の舞台となった場所を特集していた会でCERNも取材していて、「反物質」を取り出すような実験機は紹介されてましたが、「反物質」を小さな機械に封じ込めて持ち運ぶような事は、現時点では無理だってことでした。

参考までに過去のニュースのリンクをまとめてみます。

CERN 宇宙誕生の解明へ
LHCで極小ブラックホール生成実験を行っても地球は消滅しない、CERN
大型ハドロン衝突型加速器のWikipediaのページ
CERN事故解明へ
素粒子実験再開、来春へ延期 事故の最大加速器
ダークマター(暗黒物質)のWikipediaのページ

主演のトム・ハンクスさんもCERNに行っていたようです。
トム・ハンクス、CERN訪問

 

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