昨年の話ですが、日本の中小デベロッパーには影響が大きいかもしれない変更がありました。
まずはApp Store開始時の話からですが、開始時は、各国の主要な通貨(円、ユーロ、USドルなど)ごとにまとめて、$250相当に達したら、入金されるルールで、支払いはそれぞれの通貨で行われてました。
日本の売上は、日本円で日本国内から振込があり、海外の通貨はその国の通貨で送金されてきて、受取銀行の口座が日本円のみの場合は、受取銀行で為替取引が行われて、入金されるという流れでした。
日本の売上はそのまま入金されるものの、海外の売上は銀行の手数料が引かることになります。(銀行や送金額によって手数料は違うと思いますが、最低でも2,500円~3,000円くらいかかるところが多いようです。)
CITI Bankは複数の通貨を管理できる口座がありますが、この時点では、日本円は円建てで、海外からの送金は外貨建てで受け取れていたようです。
最初の変更点は、いつの間に!?って感じでしたが、振込の基準が$250から$150に引き下げられました。
売上の回収機会が増えるので、これは純粋にうれしい変更点です。
次に、昨年の秋頃ですが、口座を変更しようとした所、振込口座の登録情報で通貨を指定するところ(Bank Account Currency)が設けられました。
Multi-Currencyと書いて申請してみた所、Appleから連絡があり、銀行口座指定の通貨に、Appleの取引銀行で一括して為替取引を行って、指定された通貨で送金するように一本化されたとの事で、通貨の指定は必須になったとの事でした。
個人が銀行で為替取引するよりは、Appleがまとめて取引した方が、手数料的には有利であることが想像されるので、これはこれで合理的なのですが、1点困った事が出てきました。
今まで日本の売上は日本国内から振り込まれていたのに、海外から日本円で送金されるように変わりました。
日本の銀行の場合、海外からの送金の場合は、送金される通貨が日本円でも、「被仕向送金取扱手数料」というのが取られます。
手数料は銀行によって違うようですが、$150相当ぎりぎりで振り込まれた月は、入金額の10%程度が銀行の手数料で消えることになっていまいます・・・。(外貨の振込の場合は、為替手数料もかかるので、20%程度になります。)
毎月の売上高が大きければ気にするほどのことでは無いのかもしれませんが、毎回$150相当で振り込まれている場合は、無視できない金額だと思います。
これを回避するには、外国からの送金を手数料無しで受け取れる口座を作る事ですが、現状Appleからの送金がCITI Bankからである事を考えると、CITI Bankの口座を作るのが一番いいようです。
Appleがどの通貨まで対応してくれるのかや、どの通貨を選択するのかというのはありますが、もし外貨建てで持てる口座を作れるのであれば、円高だと言われている今は、外貨で受け取るようにしておいて、少し円安になった時に円に替えるというのも有りかもしれませんね。(円/USドルの場合、今が高いのか、まだまだ安いのか、微妙な気もしますが。)
アプリ開発中の方も、これから作る方も、ご参考まで。
※iPhoneアプリ開発に関する投稿を今から始めるiPhoneアプリ開発にまとめました。
いつも参考にさせていただいております。
一点ご質問させてください。
今appの開発を検討しているのですが、日本で売り上げたapp(つまり日本でダウンロードされたもの)は米国アップル社から円貨で振り込まれてくるのでしょうか?
ご教示いただけると光栄でございます。
振込の通貨については、iTunes Connectに登録した銀行情報の「Bank Account Currency」で指定された通貨になります。
通常は円建てで指定していると思うので、どこの国で売上が立っても円で振り込まれます。(ドルを指定しても、振込先銀行口座が円建てのみの場合は、受取のタイミングで両替される事になって、余計な手数料を引かれる事になると思います。)
開始当初は日本国内の売上は日本のiTunes社から振り込まれていましたが、手続きが変わって、全ての売上をまとめて、海外から振り込まれるようになりました。
Appleのサポートへ問い合わせたのですが、まとめて両替する事で手数料負担を軽くしているということのようです。
去年の11月に売上のレポート/集計の機能が変わって、また微妙に変わった所がありますが、少なくとも自分の場合は、日本の売上も海外から振り込まれています。
ご参考まで。
突然のコメントにて失礼いたします。
私は、スマートフォン向けのアプリケーションの開発を行っている、株式会社トレンドメディアの大橋と申します。
弊社は、先月までAndroid向けのアプリばかり制作していたのですが、今月初めてiPhoneのアプリを制作し、ストアへ登録しました。
お恥ずかしい話ですが、app storeの入金サイクルを良く理解できていないまま、ストアへの申請を行ってしまいました。
そこで、現在入金サイクルについて調べていたところ、貴サイト様に出会い、質問をさせていただきたくコメントさせていただいております。
iPhoneの売上の入金日について、締日は毎月月末とわかったのですが、実際に入金される日は明確に決まっているのでしょうか。
差支えなければ、ぜひお教えいただければ幸いでございます。
突然、このような不躾な質問をしてしまい、大変申し訳ございません。
何卒、宜しくお願い申し上げます。
株式会社トレンドメディア 様
コメントありがとうございます。
売上の集計は月単位ではなく、Appleのカレンダーに準じます。
「Payments and Financial Reports」の左下の方にある「Fiscal Calendar」で確認できます。
入金日については、Fiscal Calendarの期間が終了してから45日以内とのことです。
FAQによると、financialレポートを受け取った後から、「Payments and Financial Reports」の「Summary」ページと「Owed」ページに次の入金予定日が表示されるとの記述があります。
現在は表示されていない状態だと思いますが、「Summary」ページに予定日が表示されている画面キャプチャは、「Payments and Financial Reports」の左下にある 「Financial Reports Guide」で確認することができます。
過去に入金された日と金額であれば、「Payments and Financial Reports」の「Payments」ページに表示されています。
45日以内に入金が無い場合の可能性としては、登録情報の不備(Contracts, Tax, and Bankingから登録している銀行口座情報の不備etc)か、USドルで$150相当に達していない事が考えられます。
$150に達していない場合でも、Fiscal Calendarのクオーターごとだったのか、年度末だったのかは失念しましたが、入金される事があった気がします。
ご参考まで。
お世話になっております。
大変早いご返信をいただき、誠にありがとうございました。
私のほうが返信が遅くなってしまい、申し訳ございません。
大変丁寧にお教えいただき、ありがとうございます。
お教えいただいたページを確認し、入金の確認をしたいと思います。
また質問させていただくことがあるかもしれませんが、今後とも何卒宜しくお願い致します。